ブログ

  • 2024-03-19

「どうでもよい」は「自由な心」ではない

プレイセラピー風なワークで、物語をつくるようなものがあります。私は写真カードなどを使います。 自由のワークをすることもあります。 自由のワークの場合は、自分の人生を物語るというわけではなく、どちらかというと自分とは関係のない物語を作ってもらいます。自由に創るということに重きを置きますから。 自由だか […]

  • 2024-03-16

自分の反応に気づいている

たとえは、他者のある言葉に対して過剰な反応をするなど。そのことに気づいているという状態やそのスキルは重要です。 心の課題の克服の流れ まず自分の反応パターンに気づきます。これはメンタル不調のようなものどはれば、いつもの自分と違うという異変に気づけばよいのですが、人生レベルで長期化した問題については気 […]

  • 2024-03-13

場の理論 – 物理学から社会心理学へ

クルト・レヴィンという社会心理学者が物理学から取り入れた「場の理論」について、私の実践的解釈を紹介したいと思います。 場作りの「場」 グループワークや会議などで、「場作り」が大切とされます。しかし、なんとなく雰囲気のことと思っている人が多いかも知れません。 また、社風や虐めなども「場」の問題でしょう […]

  • 2024-03-11

人の心理は自然科学で理解できるのか

私は自然科学(と科学哲学)を学んだことがあります。そんな人に心理を扱えるわけないと言う人もいますが、物理化学の出身の心理の専門家はけっこういます。 心理セラピーを学ぶ人たちに興味をもたれる反還元主義について書いてみます。 還元主義の限界 還元主義とは部品に分解することで理解できるという考え方です。正 […]

  • 2024-03-05

「虐待の連鎖」をデータでみるか事例でみるか

「虐待が連鎖しないことは研究によって明らかになっています」などと言われますが、「虐待の連鎖」を安易に否定するのもどうかと思います。 なんのための議論なのか 多くの人は「親のせいなのか?」という関心があるようですが、私たちセラピストやクライアントが興味があるのは「虐待をやめるための心理セラピーにおいて […]

  • 2024-02-29

オーバーエンゲージメント

トラウマの心理セラピーなどで、出来事想起をしたり、イメージワークをしたりするときに、入り込みすぎしまうことをオーバーエンゲージメントなどと言います。逆に体験から距離をおきすぎてワークにならない状態をアンダーエンゲージメントと言います。それらの間でイメージワークをするわけです。イメージワークに限らず、 […]

  • 2024-02-27

無条件の自己肯定感!?

言葉の意味は恣意的 「自己肯定感」という言葉が一人歩きして、一部では己惚れていたり、反省がない、努力をしない人のことと思われたりしているようです。 また、ある心理セラピストは「自己肯定感は無条件の自己肯定である」とか言いますが、別の人は「いやいやそれは「無条件の自己肯定」と呼ぶべきだ」とかの意見があ […]

  • 2024-02-20

ズバリ言われてもなぜか腹が立たない、直面化のカウンセリング

クライアントが認識を避けていることを認識するように促すことを直面化と言ったりします。 たとえば、「あなたは自分に嘘をついてるのではないですか」みたいなことですね。そんなぶっちゃけるかどうかはたもかくとして。 率直な言い方のことではなくて内容のことです。遠回しに言ったり、やんわりしてても直面化です。 […]

  • 2024-02-05

「~してあげてるのに、なんなのあの態度は!」と思ってしまう

他者の態度が失礼とか冷たいとか感じる原理については様々な可能性があります。 たとえば、過去に経験してきた別の他者を投影しているとか。あるいは内なる隠された自分を投影する場合もあります。 もちろん、相手が実際に失礼な場合もあります。(笑) ここでは、情報科学的な仮説を述べてみましょう。 再帰性感覚入力 […]

  • 2023-11-27

心の悩みの克服における「ゆっくりやりましょう」と「気長にやりましょう」

心の中身について、解決に時間のかかるものもあります。恐怖症や体験的技法を用いた広義トラウマの解決などは比較的短期間で解決します。 「ゆっくりやりましょう」は時間をかけた方がよいケースです。たとえば、うつ病などは急いで治すよりも時間をかけたほうが再発防止になると言われています。ですので、早く治そうとし […]

  • 2023-10-22

臨床心理学と数学的発想

臨床心理学は科学だという主張がありますが、そこには数学が不足していたような印象があります。 数学といっているのは数値データを扱うことではありません。計算や集計をすることでもありません。どちらかというと集合論のことです。 データを使って白黒ハッキリさせるみたいなことは「争い」であって「科学」ではないと […]

  • 2023-10-01

劣等感の克服 – 人を尊敬すること

劣等感による生き辛さ 消極的になってしまう場合 劣等感が思考や行動に影響している場合、チャンスを掴めなかったり、恥をかくのが恐くて挑戦できなかったり、損をすることは多いかもしれません。 劣等感が感情に影響している場合、傷つきやすかったりするかもしれません。単なる失敗が、自己否定につながってしまいます […]

  • 2023-09-28

エクスポージャー法を当事者視点から

エクスポージャー法(暴露法)は、不安や恐怖を引き起こす状況に自身を晒して(暴露して)徐々に慣れてゆくという心理療法です。安全な環境で繰り返し練習することで、徐々に不安や恐怖の反応を減少させます。 効果が検証されているものですが、なんだか恐ろしいという印象もあるでしょう。ここではクライアント視点でエク […]

  • 2023-08-29

認知再構成法を習得しよう – 日常のセルフケア(簡易ゲーム付き)

認知再構成法(狭義の認知行動療法)は、比較的簡単に習得できます。サバイバーにも一般の方にも日常のセルフケア技術としても習得をお勧めします。 人材育成やゲーム開発に携わったことのある私が、一風変わった練習ゲームを埋め込んで習得をガイドします。 認知再構成法とは とはいえ、普通の説明も少しさせてください […]

  • 2023-08-08

対話型生成AIとカウンセリング

是非の議論を超えて 悩みのある人たちが、様々なヒントを手軽に入手できるのはよいことだと思います。支援の専門家は「自分の仕事がAIなんかに真似できてたまるか」という想いから、否定的な意見にバイアスがかかるでしょう。一方で、確かに様々な問題も生じてくるでしょう。 この記事では、肯定するか、否定するかでは […]

  • 2023-08-02

克服の勇気:心理実践に向き合う自分へのサポート

心理セラピーは、私たちが内面的な問題に向き合い、成長や回復を促進する貴重な手段です。しかし、心理セラピーや心理実践に取り組むことは、誰にとっても容易なことではありません。時には、ハードルや障壁が私たちの前に立ちふさがり、進むことが難しく感じることもあるでしょう。 心理セラピーや心理実践に取り組むこと […]

  • 2023-07-27

AI視点でアセスメントを俯瞰する – DSM-5診断基準を例に

この記事はどちらかというと臨床家向けです。 DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)の診断基準の一部を、あえてAIのニューラルネットワークで表現してみようと思います。 心理カウンセラーのための、DSM-5を使った人工知能入門でもあります。 なんだか大袈裟なタイトルになってしまいましたが、目的は次の […]

  • 2023-07-21

乗り越えるとき:「回避を手放す」よりも「自由を取り戻す」

抵抗と回避の意味 トラウマに関わる場所や物事を避けようとする症状を「回避」と呼びます。危険を避けるというよりも、危険じゃないのに避けちゃうってことですね。 また、同様に心理セラピーのプロセスに対しても回避反応が起きることがあります。 心理セラピーのプロセスには、一時的に抵抗を感じるかもしれないけど、 […]

  • 2023-07-19

エビデンスと自分エビデンス – 心理セラピーの選択と効果

統計的エビデンスがある心理セラピーについて 心理セラピー(心理療法)の効果エビデンスというのは、一般的には効果の有無や大きさを調べた統計によるものです。それは母集団(主に平均値)について語るものです。(バラツキが考慮されてないわけでもないですが、それでも母集団と個は別のものです) 統計的エビデンスは […]

  • 2023-07-10

カウンセリングを受ける人のための情報セキュリティガイド

この記事はインターネットを介してカウンセリングを受けたり、問合せ/申込みを行う人が適切な意識をもち、ご自身のプライバシーと安全性を確保するための情報セキュリティガイドを提供します。 ただし、対策の完全性や情報の正確性を保証するものではありません。 また、カウンセリング提供側で調節すべきことについては […]

  • 2023-07-08

「開き直り」を「癒やし」につなげる

「開き直る」ってなんだろう。 それの半分は嘘をつくことで、半分は正直になることだと思います。 平気じゃないのに平気なふりをしてみるという嘘。そして、表せなかったものを表すという正直。 嘘を支払って正直を手に入れるのだと思います。 「失敗しちゃったけど、まあいいか」って。 失敗に対してこころを開く。 […]

  • 2023-07-08

心理セラピストの心の回路図:AIメタファーによる暗黙知の理解

かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を学んでいた心理セラピストが、個人的な視点/メタファーを呟きます。 今回は心理セラピストをニューラルネットワーク(AI)としてモデル化してみました。 臨床家が自分を振り返ったりするための記事です。AIが人間のカウンセラーに取って代わるかはどうかは主テーマではあ […]

  • 2023-07-06

人工知能からみた「無意識」

かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を専攻した心理セラピストが、個人的な視点を呟きます。 実際の脳の構造がこうなっているという話ではなくて、単純化されたモデルやメタファーを使って思考実験をし、人の心を理解する視点を広げてみようというものです。(軽~い構成論的アプローチ) 無意識こそ普通のプロセス […]

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