- 2024-03-11
人の心は自然科学で理解できるのか
私は自然科学(と科学哲学)を学んだことがあります。そんな人に心理を扱えるわけないと言う人もいますが、物理化学の出身の心理の専門家はけっこういます。 心理セラピーを学ぶ人たちに興味をもたれる反還元主義について書いてみます。 還元主義の限界 還元主義とは部品に分解することで理解できるという考え方です。正 […]
私は自然科学(と科学哲学)を学んだことがあります。そんな人に心理を扱えるわけないと言う人もいますが、物理化学の出身の心理の専門家はけっこういます。 心理セラピーを学ぶ人たちに興味をもたれる反還元主義について書いてみます。 還元主義の限界 還元主義とは部品に分解することで理解できるという考え方です。正 […]
「虐待が連鎖しないことは研究によって明らかになっています」などと言われますが、「虐待の連鎖」を安易に否定するのもどうかと思います。 なんのための議論なのか 多くの人は「親のせいなのか?」という関心があるようですが、私たちセラピストやクライアントが興味があるのは「虐待をやめるための心理セラピーにおいて […]
トラウマの心理セラピーなどで、出来事想起をしたり、イメージワークをしたりするときに、入り込みすぎしまうことをオーバーエンゲージメントなどと言います。逆に体験から距離をおきすぎてワークにならない状態をアンダーエンゲージメントと言います。それらの間でイメージワークをするわけです。イメージワークに限らず、 […]
言葉の意味は恣意的 「自己肯定感」という言葉が一人歩きして、一部では己惚れていたり、反省がない、努力をしない人のことと思われたりしているようです。 また、ある心理セラピストは「自己肯定感は無条件の自己肯定である」とか言いますが、別の人は「いやいやそれは「無条件の自己肯定」と呼ぶべきだ」とかの意見があ […]
クライアントが認識を避けていることを認識するように促すことを直面化と言ったりします。 たとえば、「あなたは自分に嘘をついてるのではないですか」みたいなことですね。そんなぶっちゃけるかどうかはたもかくとして。 率直な言い方のことではなくて内容のことです。遠回しに言ったり、やんわりしてても直面化です。 […]
他者の態度が失礼とか冷たいとか感じる原理については様々な可能性があります。 たとえば、過去に経験してきた別の他者を投影しているとか。あるいは内なる隠された自分を投影する場合もあります。 もちろん、相手が実際に失礼な場合もあります。(笑) ここでは、情報科学的な仮説を述べてみましょう。 再帰性感覚入力 […]
Kojunがクライアントやサバイバーにお薦めする書籍などです。 セルフケア 『自律神経にやさしい音楽』(音楽) by 広橋真紀子 サンプルを聴けばわかります。苦しみの底からよちよち歩き始めるときによいです。瞑想ガイドがなくても、自分と音楽に耳を傾けていれば、ちょっぴり存在できます。 「Progres […]
心の中身について、解決に時間のかかるものもあります。恐怖症や体験的技法を用いた広義トラウマの解決などは比較的短期間で解決します。 「ゆっくりやりましょう」は時間をかけた方がよいケースです。たとえば、うつ病などは急いで治すよりも時間をかけたほうが再発防止になると言われています。ですので、早く治そうとし […]
臨床心理学は科学だという主張がありますが、そこには数学が不足していたような印象があります。 数学といっているのは数値データを扱うことではありません。計算や集計をすることでもありません。どちらかというと集合論のことです。 データを使って白黒ハッキリさせるみたいなことは「争い」であって「科学」ではないと […]
劣等感による生き辛さ 消極的になってしまう場合 劣等感が思考や行動に影響している場合、チャンスを掴めなかったり、恥をかくのが恐くて挑戦できなかったり、損をすることは多いかもしれません。 劣等感が感情に影響している場合、傷つきやすかったりするかもしれません。単なる失敗が、自己否定につながってしまいます […]
エクスポージャー法(暴露法)は、不安や恐怖を引き起こす状況に自身を晒して(暴露して)徐々に慣れてゆくという心理療法です。安全な環境で繰り返し練習することで、徐々に不安や恐怖の反応を減少させます。 効果が検証されているものですが、なんだか恐ろしいという印象もあるでしょう。ここではクライアント視点でエク […]
認知再構成法(狭義の認知行動療法)は、比較的簡単に習得できます。サバイバーにも一般の方にも日常のセルフケア技術としても習得をお勧めします。 人材育成やゲーム開発に携わったことのある私が、一風変わった練習ゲームを埋め込んで習得をガイドします。 認知再構成法とは とはいえ、普通の説明も少しさせてください […]
「苦手なものに馴れて克服する」というアプローチの限界と対策について考えてみましょう。成長や進歩のために重要なスキルですが、上手くいかない場合もあります。」
心理セラピーは、私たちが内面的な問題に向き合い、成長や回復を促進する貴重な手段です。しかし、心理セラピーや心理実践に取り組むことは、誰にとっても容易なことではありません。時には、ハードルや障壁が私たちの前に立ちふさがり、進むことが難しく感じることもあるでしょう。 心理セラピーや心理実践に取り組むこと […]
DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)の診断基準の一部を、あえてAIのニューラルネットワークで表現してみようと思います。心理臨床家のための、DSM-5を使った人工知能入門でもあります。 なんだか大袈裟なタイトルになってしまいましたが、目的は次のとおりです。 なお、話はとっても単純化しています。 […]
抵抗と回避の意味 トラウマに関わる場所や物事を避けようとする症状を「回避」と呼びます。危険を避けるというよりも、危険じゃないのに避けちゃうってことですね。 また、同様に心理セラピーのプロセスに対しても回避反応が起きることがあります。 心理セラピーのプロセスには、一時的に抵抗を感じるかもしれないけど、 […]
統計的エビデンスがある心理セラピーについて 心理セラピー(心理療法)の効果エビデンスというのは、一般的には効果の有無や大きさを調べた統計によるものです。それは母集団(主に平均値)について語るものです。(バラツキが考慮されてないわけでもないですが、それでも母集団と個は別のものです) 統計的エビデンスは […]
この記事はインターネットを介してカウンセリングを受けたり、問合せ/申込みを行う人がご自身のプライバシーと安全性を確保するための情報セキュリティガイドを提供します。 ※対策の完全性や情報の正確性を保証するものではありません。 情報セキュリティの重要性 これまで起きなかったことが起きる 不正アクセスには […]
「開き直る」ってなんだろう。 それの半分は嘘をつくことで、半分は正直になることだと思います。 平気じゃないのに平気なふりをしてみるという嘘。そして、表せなかったものを表すという正直。 嘘を支払って正直を手に入れるのだと思います。 「失敗しちゃったけど、まあいいか」って。 失敗に対してこころを開く。 […]
昨今の第3次AIブームは、「専門知識をつめこむことで優秀なカウンセラーが育成できるわけではない」ということを示唆しているように思います。 かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を学んでいた心理セラピストが、AIメタファーによって、心理カウンセラーの暗黙知の理解を試みます。 ※この記事はAI研究から […]
かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を専攻した心理セラピストが、個人的な視点を呟きます。 実際の脳の構造がこうなっているという話ではなくて、単純化されたモデルやメタファーを使って思考実験をし、人の心を理解する視点を広げてみようというものです。(軽~い構成論的アプローチ) 無意識こそ普通のプロセス […]
かつて学生時代に認知科学(AI関連分野)を専攻した心理セラピストが、個人的な視点を呟きます。 ここではAI(人工知能)によって心理療法ができるかという話ではなく、AIを通して心理療法の理解を深める試みをしてみます。 (認知科学では、実際の脳の詳細構造を明らかにするのではなく、むしろ単純化されたモデル […]
勤務先の経営者への不満を、精神的分離の観点でみてみましよう。 カウンセリングの仮想事例の話をします。 「社長は従業員の幸せを願っていると言っているけど、実際には利益優先じやないか」という不満に苦しんでいるとします。(他の不満でも当てはまります) 一般的な周囲の反応としてあるのは二通り。ひとつは一緒に […]
「あるがまま」という態度の技術には2種類あるように思います。 変えようとしない これは「あるがままを受け容れる」というような表現で使われる意味です。 それは変えようとしない、または変え急がないという意味ですね。 実践練習としては、自分が変えようとしていることに気づいてみるとこが含まれるでしょう。 何 […]