ブログ

  • 2020-07-10

「正す」と「赦す」アプローチ

対人支援関係者向けの講座をしていると、「心理支援のプロは何が違うのですか?」と聞かれることがあります。 まったく個人的な意見ですが、心理セラピストやカウンセラーに関して言えば、「正す」と「赦す」両方のアプローチを知っているということを挙げてもよいかもしれません。 たとえば、水泳のクロールでなかなな進 […]

  • 2020-07-06

「行動ができない」の正体!? - 完璧主義

「行動ができない」には様々な原因がありますが、その正体の一つにこんなのがあります。 行動すると成果を求められる↓成果が出てないと批判される(叱られる、がっかりされる、もっと頑張れと言われる等)↓めげる↓罪悪感を感じる このパターンを繰り返してきた人は、「行動をしない」が最善となってしまう。 これは失 […]

  • 2020-06-14

恐怖や不安について思うこと

恐怖とか不安というようなものについて、思うことがあります。 たとえば犬恐怖症の場合、犬に噛まれることを自動的に想像していたりします。 そんな人に「噛まないよ」と助言する人がいますが、ちょっと外している感じがします。「噛まれそう」ということと「噛まれたら大変」ということは別のことなんですね。 恐怖や不 […]

  • 2020-06-09

当事者や元当事者の対人支援プロ

対人支援での余計なアドバイスというのは、見下し、憐れみ、差別から起きることが多いように思います。そのさらに奥にはジャッジ(決めつけ)や思い込みがあります。 たとえば、セックスワーク(いわゆるフウゾク業等)に従事したことがある人に対して、女性カウンセラーは憐れみのような見下した気持ちをもつかもしれませ […]

  • 2020-06-04

「あの人の問題を直す」のがセラピストの仕事ではない

あの人の心の問題を治す/直すのがセラピストの仕事ではありません。 来談者の要望に基づいて心の問題を扱うのが仕事です。 何が違うかと言うと、「あの人の心の問題を直してくれ」と言っても引き受けませんよということです。これ、本当に多いのです。 少なくとも私のところではやりません。 「友達が心の問題をかかえ […]

  • 2020-06-01

不完全な愛を拒絶すると、偽りの愛が欲しくなる

心の悩みを克服したクライアントたちが語る世界を参考に、ひとつの世界観を描いてみます。全ての人にあたはまる話ではありませんが、ヒントになればと思います。 ある種の心の問題が解決してくると、映画のような綺麗事の愛のストーリーなんか求めなくてよくなるようです。不完全な愛も大切になります。 「愛なんか欲しく […]

  • 2020-05-31

心理セラピストに向いているのは

人の心のシャッターを抉じ開け(こじあけ)ようもすると、なかなか開かない。 そもそもシャッターとは抉じ開けられないために作り出されているので。 それをさらに大きい力で抉じ開けようとするのが自己啓発プログラム。 心理セラピストの仕事もシャッターを開けること。それに向いているのはシャッターを開けることに喜 […]

  • 2020-05-17

「寄り添う」という言葉がとらえどころない理由

「寄り添う」という言葉がとらえどころない理由。それは、「なにかをすること」ではなくて、「なにかをしないこと」だから。 優しい言葉をかけるとか、相槌をうつとか、「なにかをすること」ではないからだと思います。 試しに私が疾患を持つとか被暴力経験を持つとか、開示したとします。瞬時に人は態度を変えます。それ […]

  • 2020-04-13

代理思考(怖れがつくりだす思考)

私が「怖れ」と呼んでいるものは、人が自分のネガティブ感情をないものとしようとする心理現象のことです。心理学では「抑圧」といいます。ファンタジーでは「闇」と表現されることもあります。 ネガティブ感情の分かり易い例としては恐怖・不安があります。人が自分の恐怖・不安をないものとする、「こわくないもん」とい […]

  • 2020-03-28

「死ぬな」と言うのが対人支援とは限らない

私はご本人からの依頼しか個人セッション(カウンセリング)を提供していませんが、「あの人を助けてください」と言われることはたまにあります。 「私の息子が死にたいと言っています。カウンセリングで止めてください」というご相談。 こういうのは引き受けません。息子さんにお金を渡して、息子さんが依頼してくるなら […]

  • 2020-02-10

「殴りたくなる感情を大切にする」というのは、殴ることではないのです。

憎しみや怒りが止まらないというお悩み 憎しみ系のお悩みについて、ざっくりと結論を言ってしまうとこうです。 「殴るべからず」 そして、「殴りたくなる(その奥にある)感情を大切にせよ」 よろしくないのは、「怒っていない」と言いながら、殴る(陰口、意地悪、復讐を考える、裁きを望むも含む)こと。 そこで、感 […]

  • 2020-02-08

2通りのスモールステップ

行動計画には二通りあります。 (A)ゴールから逆算してスモールステップを決める。 (B)いま出来ることをやってみる。 (A)はコーチングや自己啓発でみかけるアプローチ。(B)はカウンセリングや行動療法でみかけるアプローチ。 似たようなことで、こんな観点もあります。 (a)面倒でやりたくないことを先に […]

  • 2020-02-07

「二次利得」という言葉で人を裁かないで

二次利得という言葉 心理支援の分野に「二次利得」という言葉があります。これは病気やトラブルを抱えている人が、それによって得ていること(優しくしてもらえる、仕事をしなくていいなど)のことです。 本人が病気やトラブルを手放そうとしない原因を説明するために使われます。 「二次利得」、ときに人を馬鹿にした言 […]

  • 2020-01-30

私が尊敬する心理カウンセラーの特徴

私が尊敬する心理カウンセラーは、私がクライアント(来談者)として訪れたとき、例外だらけの私から学んで私にセッションを提供しました。そうして、それまでに出会った支援者たちが扱えなかったテーマを解決に導いたのです。 本物の心理カウンセラーというのは、学術文献や養成所で学んだことを成果としてカウンセリング […]

  • 2020-01-21

人間関係に苦しむ八方美人

笑顔をつくるように心掛けるのではなくて、笑顔を抑えないように心掛けるのよ。 (心理セラピストKojun) 八方美人という病 「いつも誰にでも笑顔」の相談者がいます。 そんなにニコニコしていたら、さぞ人間関係は良好だろうと思われますが、お悩みはたいてい「人間関係が面倒」です。 心理カウンセラーの前でも […]

  • 2020-01-19

強烈な心理的なブレーキ

何かの行動がどうしても出来ない。普通なら出来るはずのことが出来ないというとき。 他人に説明できないなにかがあって、心臓が潰れそうな感じがする。 批判されそうだから理由を話せないものや、言葉に出来ない漠然とした感覚のものもある。 社会的な善し悪しはともかく、そうなっているには、理由がある。怠けてるとか […]

  • 2020-01-17

「解決しようとすると解決しない」お悩みが得意です

人の心の悩みの鍵は、動かそうとすると動かないことがあります。 「解決しようとすると解決しない」 それが、私の得意分野です。 「恐怖症だから、慣らす」とか、「動けない人を動くように促す」とか。そんなのが上手くいかないとき、「隠れた本質」というものがあります。 「問題が見えたら、それを取り除こうとする」 […]

  • 2020-01-16

心理カウンセリングの師匠たちは、私に既存メソッドを教えない。

クライアント(来談者)の悩みの本質を無視して、自分が知ってるメソッド(手法)を適用するみたいなことが頻発しているそうです。 心理セラピー(心理療法)のメソッドをパッケージ化して教える商売が流行った結果かもしれません。 「クライアントとして心理セラピーを受けるのが嫌だ」という人たちがセラピスト養成講座 […]

  • 2020-01-16

支援者を選ぶセンスは運と経験値

いろんな支援者(カウンセラーなど)に会うことで、だんだんと支援者を選ぶそのセンスは上がります。 最初は、偶然、知名度、権威で選ぶかもしれません。 うまくいかないとき、ただうまくいかないとおもうだけでなく、どんなふうに上手くいかなかったのかを知ることにもなります。うかくいかないなりに、何が得られたかを […]

  • 2020-01-13

立ち上がらない勇気

「恥ずかしがらずに、思いきって立ち上がってみよう。その小さな勇気や行動が未来を大きく変える」 そして、それはムーブメントとなって、個から集団へと広がる。・・・とよく言われる。 しかし、集団の中には、ギックリ腰の人もいる。その人にとって必要なのは、立ち上がらない勇気。これは小さな勇気ではない。 立ち上 […]

  • 2020-01-11

「人からどう思われるかがこわい」

「人からどう思われるかがこわい」 これは、多くの人を支配している。 動けない(制止)、やれない、迷う、などなどの正体がこれであることは多い。 そして、その正体のさらに正体というのがあって、そこは人それぞれ。 名前がついているものだけでも、愛着周辺(基本的安心感が育ってない)、自己肯定(見下されるとい […]

  • 2020-01-10

勝ち組になることは解決なのか

「人口が1/3減るので○○業の市場もそれだけ減ってきて、廃業が進んでる。ですので、プロモーションや利便性向上による競争力が必要になります」 よくあるこのような論説に違和感を覚える人もいるかと思います。 各自がプロモや利便性で競争力をつけても、1/3が廃業になることには変わりない。社会的には、解決にな […]

  • 2020-01-09

トラウマが解消して料理が気楽になる

ずいぶんと久しぶりに、家庭料理をつくってみました。ずっと以前と比べると、いろんなトラウマが解消していることに気づきます。 「一切無駄があってはいけない」のような完璧主義を脇においたり、包丁に緊張しなかったり、独りでも惨めにならなかったり、余計なものを入れすぎなかったり。 時間をかけても、かけなくても […]

  • 2020-01-08

セラピストが実際の暴力や虐めや虐待の場面に出くわしたとき

朝のカフェでママが少女を叱ってました。 その叱り方に異変を感じました。 くっと引っ張って身体にショックを与えながら責めている。犬の首輪を引いてつけるような動作が気になりました。 甘えている泣き方ではなく、声が小さい。 うちでは感情任せに叩いてるかもしれません。 私も仕事がら、おやっとアンテナが反応し […]

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