ブログ

  • 2022-07-16

「ゆるす」とは「ゆるさない」こと

被害体験のある人から「ゆるすってどういうことですか?」と訊かれることがよくあります。セラピストから「ゆるす」という危うい言葉は使わないのにです。 前提は「ゆるせない」苦しみ セラピストが「ゆるせない」苦しみを知らなければ、その問いの意味すらわかりません。 ですから、支援者が答えても答えなくても、クラ […]

  • 2022-07-13

フォーカシングは身体指向だけではない!?

とある先生が「フォーカシングは身体指向とはちがうんだがなあ」と言ったとか、言わなかったとか。 たしかに、フォーカシングは身体指向だというのは、ちょっと誤解のように思います。 なにが正しいかはともかく、ちょっとマニアックな個人の意見を書いています。 ※権威ある定義の解説ではありません。 身体だけではな […]

  • 2022-07-10

トラウマ体験を想起するセラピー

過去のトラウマ体験を想起してもらうセラピーには2通りあるのではないかと思います。 馴化のプロセス PEの想像エクスポージャーなどでは馴化が図られます。思い出し、語ることで、記憶が整う。それは「暴力を受けたことを思い出すことは、再び暴力を受けることとは異なる」ということを体験的に知ってゆくプロセスと言 […]

  • 2022-07-09

ショックトラウマの扱い

ある出来事(虐め、性暴力、暴力、裏切り)のショックを身体や心が覚えて現在の生活に影響が起きているようなケースをショックトラウマとか広義PTSDと呼んでいます。 ショックトラウマのご相談もありますし、他のお悩みを扱う心理セラピーの一部としてそのテーマが表れることもあります。 PTSDに適応する心理療法 […]

  • 2022-07-07

「原因論の罠」と「目的論の罠」

過去を扱う心理セラピーなどへの批判にこのようなものがあります。 「過去の被虐待が原因だと指摘してもラクにならない」 はい、指摘しただけではラクにはなりません。指摘するだけでは心理セラピーとは言えないでしょう。 そこで、「原因」ではなく「目的」に注目しましょうというのが目的論です。 伝統的な精神分析が […]

  • 2022-07-06

涙を拭かない心理セラピー

Kojunの心理セラピーは、感情に触れてもらうセラピーですが、感情を出させるというよりは、感情を大切にするという感じです。 感情を大切にするってどういうことなのか、今回は涙について、具体的な例を挙げながら書いてみます。 あなたは誰かが泣いていたらティッシュやハンカチを差し出しますか? Kojunのグ […]

  • 2022-07-05

信じないから信じられる

Kojunは「人に対してとてつもなく肯定的だ」と言われることがあります。 ちょぴり取り乱すクライアントなどの判断に困るようなケースへの対応について、どうしてそんなことができるのかと問われると、人を信頼しているからかなあと思うことはあります。 どうやら、私はクライアントの力を信じているわけです。 です […]

  • 2022-07-04

心理支援職という肩書や職業に憧れたことはない – 私の心理セラピストとしてのルーツ

心理セラピストは私の大事なアイデンティティですが、実は私は「心理支援職になりたい」と思ったことはありません。 この記事の文章は分かる人にしか分からない内容になってしまうことを承知で、あえて書いてみることにします。 あるところで「心理セラピストになる」と決めましたし、そのように行動しましたし、結果的に […]

  • 2022-07-02

トラウマ克服のために恐怖や怒りの感情を扱う

暴力被害トラウマなどの場合は、恐怖や怒りの感情の扱いについて書いています。実際には様子をみながらカスタマイズして行います。 また、様々な手法があるので、ここに挙げていることが全てではありませんし、異なる立場をとるものもあります。 ここではよく知られたPE、CPT、IPTなどとは少し異なるところを挙げ […]

  • 2022-06-30

置き去りにされしものを探して:理解されにくい「生き辛さ」の旅

「生き辛さ」は理解されにくい トラウマやACEsなどに苦しむ私のクライアントの多くが持つ「生き辛さ」というものは、他人に理解されることが難しいようです。 多くのクライアントが心理セラピーの後半で「わかってもらえなかった」と言います。 誰かに相談したり、苦しみを訴えると誤解されてしまう、悪者にされてし […]

  • 2022-06-27

無秩序型の愛着パターンから大人をみる

子どもの愛着パターンの中に無秩序型というのがありますね。 私は大人向けの心理相談をしていますので、別の類型で愛着スタイルというのをみているのですが、ちょっと気になりまして。 幼児のことはさておき、思春期や青年期などの子が無秩序型とも似た様子を示すという話を聞いたりしたとき、ふと思うのです。 回避型や […]

  • 2022-06-26

社交不安・対人不安が解消した人たち

社交不安について、次のような解説がよくあるそうです。 「不安は必要なものであり、なくすことは困難。よって、不安と適切に付き合ってゆくことが治療目標である」 最近は「with 〇〇」が流行っていますので、「with 社交不安」も今風かもしれません。 しかし、深層セラピーをしていると、解消しちゃう不安の […]

  • 2022-06-25

ACの自立とはなにか? ~ 人生が自分の人生になる

子どもの頃に起因する広義トラウマをもっていて、自立に悩む人もいます。一見すると就労の問題のようですが、実は心の問題(必ずしも精神疾患のことではない)であったりします。 私のクライアントでも、十分に就労ができていない人はよくいます。世間が思っている怠け者や心弱き者のイメージとは何かが違います。わずかな […]

  • 2022-06-24

正論で解決しない悩みにはゲシュタルト療法の「図地反転」

正論のアドバイスでは解決しない心の悩みには、直感を使った心理セラピーが使える場合があります。 ゲシュタルト療法の「図地反転」について、その具体的なイメージを書いてみます。(権威の引用ではなく私見です) ゲシュタルト療法はイメージワークっぽくやることが多いのですが、それでは文章で表現しにくいので、ここ […]

  • 2022-06-24

ACEsの過去とゲシュタルト療法の「いまここ」

勉強会で話す機会がありましたので、ついでにブログにもゲシュタルト療法の「いまここ」について書いておきます。 以下は、実践経験からKojunなりの説明を書いてみます。 アダルトチルドレンというのは、心理セラピーにおいては過去を扱うということを意味しますので、「いまここ」といいながらも幼少期の感覚をいま […]

  • 2022-06-24

親をゆるす、ゆるさない、そして本人中心療法

親の苦しみを背負う広義トラウマ (親からの)被虐待トラウマ、もしくは被虐待を背景とする広義トラウマの心理セラピーの場合は、虐待を与えた側である親の苦しみのようなものが感じらることがあります。 親のための心理セラピーをするわけではなですが、風景の中にそれが見えてしまう感じがするのです。 これが現れるの […]

  • 2022-06-23

「それじゃだめだ」と思い知らせたくなる感情反応パターン

他人のことについて、これはダメだなあと思ったとき、それを思い知らせたくなりますか? イライラしながら教えたくなりますか? ゆるせませんか? それとも、イライラしながら、そんな自分を見つめますか? 私の経験則では少なくとも二通りの克服シナリオがあるように思います。 克服のヒント1:ちゃんと泣く 克服で […]

  • 2022-06-21

見捨てられ不安と癒し

見捨てられ不安をもつ人は、見捨てられるのが恐いので、人と距離をおくかもしれません。 なにかしらの「見捨てられたかも」サインに過剰反応してしまうから。 ということは、「見捨てられたかも」サインに傷ついたとき、大事なことがあります。 「でも大丈夫」って感じが育っているかってこと。 「傷つかないこと」では […]

  • 2022-06-19

深層心理セラピーの3幕構成

子どもの頃に起因する生き辛さをもつ人たちが心理セラピーに来ます。 何十年もかけて準備して来ます。 そのような心理セラピーを3幕構成で外観してみようと思います。 第1幕:主訴 クライアントが悩みを述べたり、心理セラピーで扱う悩みを決めたりします。 この時点で、Kojunはクライアントが望んでいる未来の […]

  • 2022-06-18

認知行動療法の狭義と広義を区別しよう

認知行動療法(CBT)については、狭義と広義の2つの意味があるようです。 狭義CBT ベック博士に由来する認知再構成法(CR)。カラム法とも。自分の感情の背後にある自動思考に気づき、「認知の歪み」を修正してゆくというもの。 広義CBT 実証的に効果が確かめられた心理療法の総称。 実証的に検証してゆく […]

  • 2022-06-17

そうせざるを得なくなって、そうなっている

私はセラピー手法や理論は、当事者視点のものと治療者視点のものがあると思っています。 治療者と当事者では見ている世界が違うと思います。 たとえば、当事者視点では「足を踏まれて叫ばずにはいられない」ということが、治療者視点では「叫んでいるのは足を踏まれたからだ」となります。 治療者からすると、叫ばなくな […]

  • 2022-05-23

マインドフルネスの入門案内

マインドフルネスを学ぶなら、体験ありきなのですが、たくさんの人たちが教えているので、自分の習っていることが主流なのか亜流なのか、どんな特徴なのか、わからなくなりがちです。 そこで、実践会とは別に、教材を通してスタンダードに触れておくのもよいかと思います。これは必ずしもスタンダードが一番よいという意味 […]

  • 2022-05-13

誰も信じない人は騙されやすい

「信じられない」という心の病があります。それは幼少期に作られることが多いようです。 「信じられない」病をもつ人は、騙されるのが恐いです。そして、「信じられない」病を解消すると騙されやすくなる、と思っています。 ですが、実際にはそうでもないです。 「信じれない」人の生きづらさ 誰も信じられない人は、相 […]

  • 2022-05-11

それを「不適応スキーマ」と呼ばない理由

自己啓発や(狭義の)認知行動療法ではなかなか変えることの出来ない、深層心理にあり人の人生を支配するものを中核信念と呼んだりします。 とくに悩みや病の原因となっている場合は、心理療法において「不適応スキーマ」とか「非合理な信念」とか呼ばれます。 取り除くべき悩みの原因というわけです。 私も中核信念を解 […]

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