ブログ

  • 2022-08-30

公認心理師制度の気になるところ

気になるところを書いておきます。 参入障壁が目的みたいになっている 学歴による参入障壁のための制度みたいになってしまっています。 「院卒でないと受からないくらい難しい試験」ではなくて「院卒でないと受験させない試験」となっています。 「私たちは大学院で頑張って学んだのだから、そうではない人たちに受験資 […]

  • 2022-08-29

公認心理師試験の結果

公認心理師の合格発表があったので、自分の気持ちも振り返っておきたいと思います。 試験の結果 Kojunの合格通知も届きました。 192点(得点率83%)、今回の合格者の中で上位3%(約16,000人の中で約500位)でした。 私にとっての試験勉強と登録 心理セラピーにおける「知識が人を救うわけではな […]

  • 2022-08-27

心の自由とは、自分を信頼できるということ

Kojunの心理セラピーのクライアントの多くが共通して「自由になりたい」と言います。 心の自由を得るために来るのです。 心の自由と不自由 それはトラウマ的な刷り込みに支配されずに、考えたり行動できたりするようになるということでしょう。あるいは、時間が止まっていた心の成長を復活して、自分に従って生きる […]

  • 2022-08-26

親のメッセージに反発しながら従い続ける人生

たとえば「人目を気にしすぎる」「優秀でない自分を許せない」「新しいことに挑戦できない」などの悩みが人生レベルで続いている場合、親から引き継いでいる場合があります。 すなわち、人目を気にして指図する親、優秀じゃないと許さない親、新しいことに挑戦しようとすると止める親です。 それがどうも親の影響であるこ […]

  • 2022-08-23

「科学的な心理療法」を選ぶときの注意点

自然科学を専攻した私からすると、臨床心理分野でやたらと「科学的」がアピールされるのには違和感があります。 理学部で「この理論/方法は科学的です」という言葉はそれほど聞かれませんでした。 「科学的です」は魔法の言葉 今日、「科学的です」と言われると、人はそれだけが正解だと思い込み、他の可能性を考えなく […]

  • 2022-08-19

心理セラピーで過去を扱うことの、もう一つの説明

心理セラピーで過去を扱うことについて、以前はよく「未来を変えるために、過去を扱うんだよ」と説明していました。 親を恨むとか、出生を呪うとか、過去に囚われるためではないということ。 そして、過去に対する感情を扱えた人は、未来へ向けた再決断などができます。目的と手段の関係なんだよって説明です。 それはそ […]

  • 2022-08-17

葛藤の反対が統合

心理セラピーで「統合する」なんて言いますね。 自己一致なんかも統合ですね。言葉と行動の一致も統合ですし、考えていることと感じていることが一致するのも統合でしょう。 統合していない状態は「分断」とでもいいましょうか。 「フリをしているのをやめる」のも一致でしょう。フリをするのは、本当の自分と見せかけの […]

  • 2022-08-09

「どうしたいか分からない」という苦しみ

かつてよくやっていたグループセッションでは、参加者の目的を訊ねて臨機応変にワークをしていました。即興ワークショップね。 ある時期から、自分の求めるものをうまく言えないというお悩みをよく聞くようになりした。なので、グループセッションの名前を「Wish(願い)」にしちゃったほどです。 Dream(夢)だ […]

  • 2022-08-05

認知再構成法+深層心理セラピーの統合

認知再構成法(CR)というのは狭義の認知行動療法です。昔は認知行動療法(CBT)といえばこれのことを指していましたが、いまではいろいろな認知行動療法が出てきたので、ここでは認知再構成法(CR)と呼ぶことにします。 CRはわりと意識に近いところ(前意識くらい)までを扱うものですね。自動思考の変化を狙う […]

  • 2022-08-04

未来志向は過去から目を背けない

未来志向は未来を志向することです。過去から目を背けることではありません。 ポジティブ vs アンチネガティブ ポジティブ心理学というのも、おそらく本来はポジティブを扱うということであって、ネガティブから目を逸らすことではないはずです。 しかし、「ネガティブに向き合えないからポジティブ心理学を好んでい […]

  • 2022-07-26

解決像と願い

SFA(ソリューションフォーカスアプローチ)では解決像に注目します。これは、「原因ではなくて解決に注目しましょう」と説明されることが多いようですが、「解決したときのイメージを具体化しましょう」というのが本質ではないかと思います。だから「解決像」。 ※「原因探しをしない」というのは、たいてい「原因」と […]

  • 2022-07-22

宿命と解決志向アプローチ

Kojunから見た解決志向アプローチ(以下、SFA)を語ってみたいと思います。 SFAはもともと家族療法に縁のあるものだそうですが、Kojunの心理セラピーは短期療法という接点があるように思います。 ウェルフォームド・ゴールを発掘する カウンセリングにおいて、原因について掘り下げる作業をケースフォー […]

  • 2022-07-20

決めつけないカウンセリング/分析するカウンセリング

カウンセリングやコーチングにおいては、昔から「評価・判断しない(ジャッジしない、決めつけない)」ということが言われます。 精神分析を嫌う専門家がいるのも、精神分析で評価・判断されたことがプチトラウマになっている背景がよくあるようです。 なんですが、「評価・判断しない」と強調する支援者ほど、なんか押し […]

  • 2022-07-20

虐待は善悪の問題か?

第5回公認心理師試験の問78について、私の考えを書いてみます。 虐待という問題を善悪で捉えるのかというテーマと関係しているかと思います。 問78はこんな内容 小児科外来で、医師が2日前に階段から転落した乳幼児の診察中に、虐待が疑われる外傷を認めた。医師が更に診察を行う間、乳幼児を連れてきた親の面接を […]

  • 2022-07-16

「ゆるす」とは「ゆるさない」こと

被害体験のある人から「ゆるすってどういうことですか?」と訊かれることがよくあります。セラピストから「ゆるす」という危うい言葉は使わないのにです。 前提は「ゆるせない」苦しみ セラピストが「ゆるせない」苦しみを知らなければ、その問いの意味すらわかりません。 ですから、支援者が答えても答えなくても、クラ […]

  • 2022-07-13

フォーカシングは身体指向だけではない!?

とある先生が「フォーカシングは身体指向とはちがうんだがなあ」と言ったとか、言わなかったとか。 たしかに、フォーカシングは身体指向だというのは、ちょっと誤解のように思います。 なにが正しいかはともかく、ちょっとマニアックな個人の意見を書いています。 ※権威ある定義の解説ではありません。 身体だけではな […]

  • 2022-07-11

天使のエビデンス、悪魔のエビデンス

見通しをよくすることにも誇大広告にも使われるエビデンスですが、情報を吟味するときに、天使のエビデンス、悪魔のエビデンスを区別しています。(この呼び方は半分冗談ですが) 天使のエビデンス 自らの実践をより発展させるために、実験結果やデータを活用とするエビデンスの使い方。 たとえば、PEという手法につい […]

  • 2022-07-10

トラウマ体験を想起するセラピー

過去のトラウマ体験を想起してもらうセラピーには2通りあるのではないかと思います。 馴化のプロセス PEの想像エクスポージャーなどでは馴化が図られます。思い出し、語ることで、記憶が整う。それは「暴力を受けたことを思い出すことは、再び暴力を受けることとは異なる」ということを体験的に知ってゆくプロセスと言 […]

  • 2022-07-09

ショックトラウマの扱い

ある出来事(虐め、性暴力、暴力、裏切り)のショックを身体や心が覚えて現在の生活に影響が起きているようなケースをショックトラウマとか広義PTSDと呼んでいます。 ショックトラウマのご相談もありますし、他のお悩みを扱う心理セラピーの一部としてそのテーマが表れることもあります。 PTSDに適応する心理療法 […]

  • 2022-07-07

「原因論の罠」と「目的論の罠」

過去を扱う心理セラピーなどへの批判にこのようなものがあります。 「過去の被虐待が原因だと指摘してもラクにならない」 はい、指摘しただけではラクにはなりません。指摘するだけでは心理セラピーとは言えないでしょう。 そこで、「原因」ではなく「目的」に注目しましょうというのが目的論です。 伝統的な精神分析が […]

  • 2022-07-06

涙を拭かない心理セラピー

Kojunの心理セラピーは、感情に触れてもらうセラピーですが、感情を出させるというよりは、感情を大切にするという感じです。 感情を大切にするってどういうことなのか、今回は涙について、具体的な例を挙げながら書いてみます。 あなたは誰かが泣いていたらティッシュやハンカチを差し出しますか? Kojunのグ […]

  • 2022-07-05

信じないから信じられる

Kojunは「人に対してとてつもなく肯定的だ」と言われることがあります。 ちょぴり取り乱すクライアントなどの判断に困るようなケースへの対応について、どうしてそんなことができるのかと問われると、人を信頼しているからかなあと思うことはあります。 どうやら、私はクライアントの力を信じているわけです。 です […]

  • 2022-07-04

心理支援職という肩書や職業に憧れたことはない – 私の心理セラピストとしてのルーツ

心理セラピストは私の大事なアイデンティティですが、実は私は「心理支援職になりたい」と思ったことはありません。 この記事の文章は分かる人にしか分からない内容になってしまうことを承知で、あえて書いてみることにします。 あるところで「心理セラピストになる」と決めましたし、そのように行動しましたし、結果的に […]

  • 2022-07-02

トラウマ克服のために恐怖や怒りの感情を扱う

暴力被害トラウマなどの場合は、恐怖や怒りの感情の扱いについて書いています。実際には様子をみながらカスタマイズして行います。 また、様々な手法があるので、ここに挙げていることが全てではありませんし、異なる立場をとるものもあります。 ここではよく知られたPE、CPT、IPTなどとは少し異なるところを挙げ […]

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